今回のマティス展2023は20年ぶりの大回顧展ということで、150点ほどの作品が日本に来てくれました!そしてさっそく行ってきました!
■フランスの画家 マティスの特徴
✅色彩の魔術師
✅初期はいたって真面目な作風。それがフランス国家に買われた
✅窓をテーマにした絵画作品が多数
✅自画像を描くのは自己認識のため
✅活動途中で彫刻、切り紙絵等を取り入れながら、手を動かすことでそこから学んだことを絵画に取り入れていった
マティス展を3時間ほどかけて鑑賞したところ、マティスの人となり(理知的な人)やヒストリーがよくわかり、大変満足度の高い時間が過ごせました。
特に終盤コーナーの「切り紙絵」はカラフルで、形が自由、楽しさ一杯の作品がたくさんあります。
マティス展をおすすめする理由は沢山ありますが、まとめると以下になります。
■マティス展鑑賞をすすめる3つの理由
1、マティスの歴史が順を追って8パートに渡って見られる
2、それにより作風がどう移り変わるかの解説が書いてある
3、章ごとにあるその解説文が完結で分かりやすい
マティス展をしっかり見れば、どういったものが彼に影響の作風に変化を与えたのかが分かり、「好きな画家はマティスです!」と胸を張って言えるようになります。
今回、感想まとめをする私は絵画の鑑賞がとっても好きな人です。
■私えいさんの絵画に関する特徴
✅誰が描いた作品か、有名な画家の絵なら見て分かる
✅でも絵画の歴史的背景に詳しいわけではない
✅絵画展で絵を見る時間はご褒美タイム
✅街中にある画廊で見るのも楽しいと感じる、ただの絵画鑑賞人
マティス展2023鑑賞の感想
※後半パートに感想加筆(2023年8月)
この展覧会を見て思ったのは、マティスの色、形、線に対する冒険を彫刻、版画、ドローイング、切り紙絵と言った活動のすべてを通して見せてもらったということです。
特にマティス「窓」のモチーフは素敵でした。窓は内と外を融合させながら一つの絵画空間を成立させようとする試みでしたが好きなモチーフです。
内側から外を見るって、外を見れば開放的な気分にもなれるし、内側には内側の世界がある、それをつなぐのは窓ということで、とても面白い着眼点と思うと同時に、第一次世界大戦という時代性もあって、そんなところに目を向けやすかったのかと思いました。
気づいたこととして、作品の足元に柵やテープで線があるものの近くで見れるので、それぞれの絵をじーっと見てみましたが、あまり筆圧が感じられません。
ゴッホに見られるような重ね塗りがなく、サラッと描いているように見えました。
そこがまた格好良く、おしゃれな絵に見える所以なのかもと感じました。
病気から帰還したときにやった「切り紙絵」は、体調がすぐれないときでもハサミを使うだけで作品が出来上がりました。
色紙があらわす色は「赤は赤のまま」でその色のまま表現できる、絵の具のように色を混ぜていく作業がないところに新たな色に対する発見があったのだと感じます。
絵画のアイディアを模索する中で行った「彫刻」もそうですが、絵画以外の芸術に取り組むことで絵画に対する課題点が解決しやすい思考になったようです。
「絵」だけに固執しなかったのは、いろんな外国に旅したり、女性と会う中で柔軟に考えられたからなのかな?
また、試行錯誤しながら進もう!と悩みながらも行動できるのはマティスの持つ元々のスマートさがあるのではと感じました。
- マティスの人となり、絵に対する悩みが分かった
- ゴッホみたく筆圧は強くなく、サラッと素敵に描いている
- こんなに感想を書きたくなった展覧会は久しぶり
※2023年8月加筆
東京都美術館開催のマティス展が2023年8月20日に終了を迎えました。自分が鑑賞してから4か月ほど経ちましたので、改めてマティス画集を開いてみました。鮮やかな絵画の数々、切り紙絵に目が留まります。
7月18日付の朝日新聞にマティス展の記事がありました。
この記事を読んで「様々な見え方をするというのも作家の偉大さの証」というのは一瞬意味が分かりませんでした。
どんな作品でも場所によって見え方が変わるのは当たり前ではないか?と思ったのです。
なぜそれが偉大さの証になるのか?
施設の天井の高さ、絵画の背景にある壁の色、その場所に漂う空気も場所により違うのは当然です。だからマティスに限らず、場所が変われば見え方は変わります。
だけどこの館長が言いたかったのは、こうなのかなと思いました。
マティスの感覚は世界共通で通じる
鑑賞する人はそれぞれ国も人種も違い、それぞれの感想を持つ。どの人もそれぞれの感覚でマティスを感じよう、分かろうとする。
そういう人が多く存在するという事実が創作者が偉大であることの証である、ということを言いたかったのかな、と私は解釈しました。
偉大、そうですよね。
私の一番感動した切り紙絵パートに記事でも触れていて、切り紙絵は「セザンヌの造形探究から出発した成果」とありました。
その時代によって自分の作品に対する熱量の向け方を変えていく、それが切り紙絵のように必然だったのかなと感じましたし、色の探究を突き詰めていく姿に感動を覚えます。8月加筆ここまで
マティス展2023グッズ
✅図録【3300円】購入しました!
展示されている作品が全て載っていて、展覧会で書かれていた言葉もそのまま載っています!
高いかな、と一瞬感じましたが、「全部入り」だから相応な価格と思います。家で待つ人にも見せられますし。
図録があれば写真を撮らなくても
これを買うなら、撮影OKポイント(会場内1階部分のみ)で写真を一生懸命に撮ったり、感じたこと以外はメモしたりしなくても良かったです。
もっとのんびり見れば良いのに、写真OKだとどうしても撮りたくなってしまいます。
✅高級紙切りハサミが売っていました
見た後にとりたくなる行動として、紙切りにトライして見たくなります(笑)
なぜかというとマティス展「第7章切り紙絵と最晩年の作品」が素晴らしいからです。
色の合わせ方は単純なんだけど、可愛く見える海藻の形だったり、燕の形に切り取られた作品があります。
作品の横にある情報を見ずにまず切り紙絵を見てタイトルを予想してから、正解のタイトルを当てに行くのが楽しかったです。 「運命」は分からなかった!
高級紙きりはさみは1万円以上していて、気になったけれど、ハードルが高く諦めました。
- 図録は持ち帰りに重いけど、すべて載っているのであると家にあると楽しい
- ポストカード以上にポストカードをいれる額縁が売れていた
- もうちょっと凝った切り紙絵セットがあれば買いたかった
マティス展2023チケットと鑑賞には3時間とろう
チケット【2200円】はローソンなどでも買えるようですが、私は公式ホームページで買いました!
好きな時間に空きがあれば、すぐに購入した方が良いでしょう。
これがあれば、待ち時間が少なく、他の予定が立てやすいです。
私は3時間ほど滞在しました。(11時から14時くらいまで)
ゴールデンウイーク中に行ったことがあり、夕方の時間に行ったほかの展覧会と比べると人が多く感じました。人が多いと見づらいな、と感じることがあります。
そんなとき、出口を出る前に「もう一回あの作品を見たい!」という感情が出てきて後戻りして見直すには、3時間取れると良いということを感じました。こうすると後で後悔がないです。
特にポスターになっている代表作品は人が多く留まっているので、一度でなく、何度か見に戻った方が細かい部分まで見られて良いです。
3時間あると後戻りしてみたかった作品を何度も見れる!
マティス展2023鑑賞まとめ
あくまでも「ひとりで」鑑賞するときの行動例でした。作品について語りながら誰かと一緒に鑑賞するのもまた大変有意義な時間です。
私が行ったときに見かけたのは、親子で来ていて、お母さんが小学生の子供と絵をじっくり見ながらというのもありましたし、カップルで来ていて楽しそうに鑑賞というパターンもありました。皆さん穏やかに見ておられました。
今回鑑賞後に「来てよかった!」と素直に思いました。それはなぜだろう?と考えたときにマティスが長年頑張って創作活動をしたからなのかな?と感じました。
画業の中で絵だけでなく、彫刻、版画、切り紙絵をした時期があったからこそ、このような彩り豊かな展覧会になったことで私たちを楽しませる結果となっているからです。
絵画の難しい知識を持っていなくてもスッと楽しめたのは、美術館の方のまとめ方が優れていたのとマティスの画業がロジカルに進んでいたということが融合されているからなのかと思いました。
久しぶりに満足度の高い展覧会でした。
マティス展2023,是非に鑑賞してみてくださいね。
※2023年6月加筆
映画の『実写版リトルマーメイド』を見た後、切り紙絵がしたくなりリトルマーメイドの世界にトライしました。
結果はアハハ(汗)ですが、色合わせして、手を動かして作り出すのは楽しかったです。マティスも絵画の合間に楽しんでやっていたんだろうな。
マティス展2023感想は以上です。
お読みいただきありがとうございました。