「銀河鉄道の父」映画感想と評価

2023年5月5日公開の映画「銀河鉄道の父」を鑑賞しました。総合評価は★★★★★星5つです!
最近よく見ている日本映画の中でも特に内容の良い映画で、すっごく良かった!です。

実際に見ての感想をなるべくネタバレしないように書きます。あらすじは、公式サイトよりの拝借です。

目次

映画「銀河鉄道の父」あらすじ


映画「銀河鉄道の父」公式ホームページを開くと
「笑って泣いてぶつかって、弱いけど強い、それが家族」
という言葉が目に入ります。以下、ホームページより抜粋です。

映画「銀河鉄道の父」映画のここが良かった

映像美です。映画だからこそ見られる撮影の仕方だったり、ダイナミックな景色が見られたり、「きれい、美しい」と感じることが多かったです。

例えば、岩手の風光明媚な山々の風景は時間帯を変えて(朝もやのシーンがとても素敵でした)、多数差し込まれていました。実際の撮影場所は岐阜県恵那市のようです。

あと、お母さんが最後に賢治の背中を拭くシーンでは、手の動きの「アップ」があり、愛情を表現していることが伝わってきました。逆に葬列で人の多いシーンでは「引き」で撮られていて、とてもダイナミックでお祭りのような華やかさも感じられました。

賢治がトシのお見舞いに行くシーンでは、賢治の作品が書いてある「原稿用紙が舞うシーン」がありますが、風が吹いていることで儚さが感じられて、綺麗だけど切なく思ってしまいました。

賢治が煙草を持つシーンがあり、宮沢賢治が「結核菌はニコチンに弱い」という主張をしたと言われていますが、実際には科学的な根拠がないそうです。(Wikipedia調べ)

映画のここが良かった!!!
大正時代の家屋や街の様子、壮大な岩手の景色の映像美が見られる

映画「銀河鉄道の父」印象に残ったセリフ・シーン


印象に残ったセリフは沢山ありました。岩手のアクセントのある言葉で話されるので全体的に優しいせりふ回しに感じました。

「俺には何もできない」賢治のセリフ


南無妙法蓮華経と大きな声で太鼓をたたきながら、動き回ります。自虐的になり改宗したいと言いますが、宗教にすがりたくなるほどの葛藤が賢治の中になぜ起こったのだろうか?と考えてしまいました。見るものにいろいろ考えさせることで、いろんな解釈ができるセリフだと思います。

「きれいに死ね」トシの祖父に対するセリフ


聡明なトシ。これは本当にすごかった。こんなに凄みのある声で大先輩の俳優さんに立ち向かうところは、これまでの森七菜さんの優しい印象から180度ガラッと変わりました。

お父さんが歌う「ドッテテ、ドッテテ、ドッテテド」というリズミカルな歌


賢治の小説を読んだお父さんが思わず口ずさんでしまうのは、とってもチャーミングで息子を全肯定している素敵なお父さん像が現れるシーンです。
「ドッテテ、ドッテテ、ドッテテド」の元ネタは「月夜のでんしんばしら」というタイトルの宮沢賢治の童話からでした。

「まっことありがとがんした」お父さんのセリフ


最後の親子のシーンが本当に好きでずっと見ていたかったです。お父さんの目が優しくて、最後に賢治を見つめ続けるところでは、愛情がこもる顔だけの演技をされる役所広司さんが素晴らしかったです。

この素敵なシーンがずっと続けばよいのにと思っていたら、エンドロールでいきものがかりの「STAR」が流れてきました。これを聞きながら、「ああ見て良かったな」と何度も思いました。

印象に残ったセリフやシーン!!!
お父さん(役所広司さん)、賢治(菅田将暉さん)、トシ(森七菜さん)それぞれにある。

映画「銀河鉄道の父」こんな人におすすめ


家族愛がメインテーマですが、天へと別れることが分かっている時間を過ごすので大変悲しい場面もあります。そのため、感情移入しやすく敏感な方には、心理的に負担を感じることもあるかもしれません。でも最後のシーンで救われます。家族愛って偉大だなと思わせてくれる役所広司さん、菅田将暉さんの演技を堪能したい人にもお勧めです。

菅田将暉さんのファンの方ならもうご存じのことだと思いますが、菅田さんの演技は素晴らしく、こういう体の弱い方を演じる「引いている感じ」がとても心地よく見られます。
役所広司さんのすばらしさは言わずもがなです。

宮沢賢治を読んだことがない人でも映画の内容についていけますが、いくつか読んでおいた方が、より楽しめると思います。

風の又三郎
セロ弾きのゴーシュ
月夜のでんしんばしら
春と修羅
アメニモマケズ
銀河鉄道の夜(これだけでもさらっておくのが超おすすめです。さらなる感動へ!漫画のAmazonリンクをご参考までに)

こんなひとにおすすめ!!!
菅田将暉さんのファンではなかった人
宮沢賢治の本を読んだことがなかった人

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この記事を書いた人

国産時計メーカー勤務歴20年以上の私、えいさんが、海外ブランドの可愛いファッション時計に魅せられ、その魅力を多くの方にお届けしたく発信しています。詳しくはプロフィールページへ

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