映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』私の感想と評価

総合評価は星4つでした。時代と場所、空間を次から次へと行き来する、飽きさせない展開で、とても良かった!です。最近よく見ている日本映画の中でも、物語のスピード感を追うのに脳が疲れるような、でも画角が綺麗だからずっと見ていたい映画でした。

マイナス1点は自分が大人になり夢を見れなくなっている分、露伴の世界観に追いつくのに時間がかかってしまったところです(笑)

映画館でもらった素敵な露伴のシール!
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『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』はこんな人にオススメ

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』はこんな人にオススメ
  • 時間、場所、空間を行き来するスピードを感じたい人
  • 場面背景の豪華さに目を奪われ過ぎず、集中できる人
  • 黒色を追求するように何かを追求している人

「人の歴史を本にした部分」を映画を見る人も一緒に移動するので、時代も場所も展開がいろいろあって、スピード感がすごい映画です。

ルーヴル美術館の内部が豪華で目を奪われるのは勿論のこと、絵画オークションのシーンも普段の生活ではあまりなじみがないので面白く、そういったなかなか足を運びづらい場所を見たい人にも良いのではないかと思います。

黒い絵は映画の鍵となるテーマですが、その黒たる黒を求めて絵を描いた人がいるように、命がけで何かを追求している人には共感できるものがあるのでは、と思います。

ちなみに私はテレビ版の岸部露伴を見たことがないのですが、所々に露伴たるものについての説明をしてくれるので、映画は充分に楽しめました。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』あらすじ

あらすじは、公式サイトよりの拝借です。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のここが良かった

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』のここが良かった
  • 黒い絵に込められた深い背景
  • 露伴と泉さんの関係性

黒い絵に込められた深い背景

黒に拘った絵をめぐる時代を超えた物語です。漆黒の黒髪を持つ美しい女性はその存在が罪だな、なんて思いました。露伴青年が出会った菜々瀬さんとの関係は、時代を超えて記憶をたどって、再び巡り合えたという解釈で合っているのかな?映画に出てくる黒い絵は、本当に髪の毛みたいに見えて、ちょっと恐怖感をあおってくるような絵でした。

露伴と泉さんの関係性

そんななか繰り広げられる、露伴と泉さん(飯豊さん)の関係性は師弟愛みたいのが感じられて良かったです。泉さんはいつもからっと明るい、そしてたまにものすごい推察をするというのが、可愛いのにできる女という感じで、羨ましい~!と思ってしまいました。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』印象に残ったセリフ・シーン

岸部露伴がファンにサインをするシーン

ルーヴルの中で地元のファンに見つかりサインをねだられ、拒否するのかと思いきや「もう書いたよ!」といつの間に、その早業は魔法使いのようでした。人の記憶を本にして読める人なので、一瞬でイラスト付きのサインを書き、ファンをさらにファンにさせることなど簡単なことなのかもしれません。

奈々瀬の登場シーン

「今度あなたの作品を読んでみたいわ」しっとり色っぽい目を青年露伴に向ける。そのあとにあった、咲き誇る百合に蜘蛛が這うシーンはこれからの波乱を示していそうで印象的でした。

若き岸部露伴(長尾謙斗さん)が手拭いを干す女性、奈々瀬を描く場面

長尾さんが木村文乃さんを遠目に見ながら彼女の絵を描くのですが、そのシーンが年上の女性への憧憬と緊張感があって好きでした。実際のところ誰が描いているのかはわかりませんが(笑)、ササっと描いているのに顎の下の線が上手な絵と感じました。 

山村仁左衛門が絵を一心不乱に描くシーン

二役である一生さんが膝を折り腰を曲げて、良い絵を描こうと紙に向かう姿は般若の形相でした。青年露伴が雨の中、黒髪の奈々瀬さんを描く姿と重なります。人が一心不乱になっているときは背中から色気が漂うのだな、と感じました。

効果的な音楽が多かった

ただ3音とかが連なるピアノの音が聞こえて、不穏な状況が続くときに効果的に聞こえました。

「過去に犯した罪が襲ってくる…。」

「過去に犯した罪が襲ってくる。心に残した後悔が襲ってくる。血のつながりから逃れられる者はいない」

人はみんな自分の過去に負い目をもって生きているのかな。それは人から見れば取るに足らないことだったりもすることかもしれない。でもその出来事に捕らわれている。

奈々瀬の言うように「なにもかもすべて忘れて」とまではいかないが、過去は心に留めつつも忘れたほうが自分の人生を生きられるのかもしれない。すべて思い出を忘れてしまうというのは、そこまで潔くできない。なぜなら思い出というのは残酷でもあり、美しくもあるから。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』感想まとめ

過去に出会った女性。憧れの人の一言を思い出し、ルーヴルに行くことに。露伴は菜々瀬さんに巻き込まれた形になったけど、そこに後悔は無さそうと最後に思えて良かった…。

映画を見た後は、あれはこういう意味だったのかな、と考えたり、一緒に見た人といろんな解釈を話したり、鑑賞後にも長い時間をかけて楽しめる映画なのではないかと思います。

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この記事を書いた人

国産時計メーカー勤務歴20年以上の私、えいさんが、海外ブランドの可愛いファッション時計に魅せられ、その魅力を多くの方にお届けしたく発信しています。詳しくはプロフィールページへ

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