【イタリアひとり旅行記】ミケランジェロ広場からの夕日(24年6月13日 )

【今日の行動】

  • 10:30 ドゥオモ ガイド付きツアー
  • 14:15 アカデミア美術館ツアー(優先入場チケット付き)
  • 夜 ミケランジェロ広場
目次

【フィレンツェ滞在】朝食はどうすればよいのか?

今回のフィレンツェでのホテル宿泊プランに朝食は付いていない。

イタリアでは1泊5万円以上は当たり前の中で、フィレンツェのターミナル駅近の便利な場所にあるにもかかわらず1万円台だったこのホテル、日本出発の3週間前にバタバタとサイトを見ていた中で見つけたときは即決だった。二つ星ホテルってどうだろう?という少しワクワクしたような感情もあった。

快適且つリーズナブルに泊まるにはやっぱり早めのホテル予約がおすすめ!

このホテル、朝食を取る場所は、家庭のリビングを少し広くしたような部屋の中に小さい台所が付いているといった規模感。場所がレセプションの真ん前だったこともあり、すぐそこでナディアと若い衆(ホテル学を学ぶ学生が実地研修のため通いで来ている)が働いているのが見える。受付のすぐ前に部屋があるというのも普通のホテルでは考えられない、雑居ビルのワンフロアにあるという二つ星ならではのレイアウトなのかもしれない。

コーヒー飲みたいな。自分の部屋に備え付けであったのは紅茶のティーバッグだけだった。飲ませてもらえるかな…。図々しくも聞いてみよう。

「コーヒーもらえる?」

とナディアに聞いてみた。すると

「いいよ。」

と即言ってくれた。わー、嬉しい。しかも

「カプチーノかコーヒーのどちら?」

と聞いてくる。選ばせてくれるみたい!その選択肢なら、イタリア人の朝には欠かせないというカプチーノに決まっている。

温かいカプチーノを座っていただく。

しばらくすると

「カプチーノだけで良いの?食べなよ!」

用意されたビュッフェのもの食べて良いと言ってくる。

「え!いいの?」

朝食無しから有りへの急展開。一人ぐらい朝食を食べる人が増えたところで、用意する総量は変わらないのだろうか?ナディアは語調、話し方はきついが、何かと優しい人だ。

クリーム入りのパンはイタリア人の朝食に必須みたい。メロンも嬉しい

【フィレンツェ二つ星ホテル】ナディアが優しいと感じたことのエピソード

ナディアとのエピソードをもう一つ。

私には復路の席の件でITA AIRWAYS(イタリア航空)に電話する用事があった。

往路では追加料金を払いエコノミークラスの一番前の席を予約していた。にもかかわらず当日の機体変更により座ることが出来なくなったのだ。機内での交渉の末、ゆったりしたプレミアムエコノミー席に図らずも移動することが出来た。

復路も追加料金を払ってすでに前方通路側を予約していたが、プレエコ席があるのかを聞いてみようと思ったのだ。

それを電話で確認しようとして、ナディアを頼ったら、ナディアは若い衆のうちの一人の男の子に向かって何か言っている。その子が子機を持ちITAの電話番号を押してくれているようだ。

「電話で話すのはあなただよ。席番号とかは個人情報だからね」

なるほどそうだ。客の要望に対応する、ホテルとして当たり前の行為なのだろうがテキパキしていて、優しさが身に染みる。

自分で話すのね、はい、そうですね。これは英語で頑張るしかない。

ITAの電話口の女性はイタリア訛りの英語で途中聞き取りづらかったが、事前予約したエコノミーの前方列、通路側の席にさらに追加料金を払えば、自席の前方に余裕のある窓側席を取ることが出来ると分かり、お願いした。帰りの飛行機も快適だといいな。

【フィレンツェ二つ星ホテル】風呂・トイレが別の場所にある件

実はこの二つ星ホテル、私の部屋だけのことと思うがトイレとお風呂は部屋の外にあったのだ。到着日に渡された3つの鍵のうち一つはお風呂、トイレ用の鍵だったのだ。

朝食時にナディアがいたから、「トイレの場所が離れているから少し不便だ」と伝えた。文句が言いたかったというより、会話の一つとして言っただけだった。

「こちらはその事実を伝えたし、あなたがそれでOKだと言ったんだよ」

とキッパリと返された。

予約時の事前メールに書いてあったのかな。帰国後に見返したのだが、特にその記述はなかった。そうだよね、そんな大事なこと見逃すはずはないのだが、ナディアの語勢でその場は押し切られた(笑)

旅行の中で起きたことはどんなことでも楽しむと決めていたから、「お風呂とトイレが部屋とは別のホテルもあるのね~」ぐらいに感じていた。実際に夜中に鍵をもってトイレに行くのは面倒だったが、他の部屋はみんなシーンと寝ているなかで、私だけが廊下を歩いていることがなんだか可笑しくて「フフフ」となる自分がいた。

【フィレンツェ観光】ドゥオモ ガイドツアーに出かける

ガイドさん。すごくはっきりクッキリと英語を話す人だった。ナディアと同じ感じ

フィレンツェ観光の一番目玉と言えば「ドゥオモ」だろう。地下や階段を使い自分の足で屋上までのぼるツアーもあるのだが、私が予約したのは旅行に出発する直前だったので、もう予約枠は「入場すること」しか余っていなかった。世界中からの観光客で大人気のドゥオモへの入場なので、朝から大行列がある中、優先的に時間通り入れただけでも良かった。

入場を待つ人々の列。この列を横目に予約者専用の扉へと向かう
内部は天井が高く、開放的かつ簡素なゴシック様式

左右の壁に絵がいくつか掲げられている。バベルの塔が見える。

ドメニコ・ダ・ミケリーノ作『神曲を示すダンテ』

真ん中で光っているのがダンテでその左後方にはバベルの塔を彷彿とさせる煉獄山が描かれている。ガイドさんの話し声を翻訳機にかけながら調べてみると、ダンテの『神曲』に登場する煉獄をイメージ化するとこの形のようになるとか。

大聖堂のクーポラ、16世紀に描かれたフレスコ画『最後の審判』

システィーナ礼拝堂の天井画と同じような細かい描写に目を凝らしてみる。復活したイエスが輝いている。

スマホの2倍ズームでこれくらい見えるから、地上からでもクーポラの絵にある繊細さは体感できる

【フィレンツェ観光】 ランチどうしよう?問題

薄暗い大聖堂内から外に出る。

フィレンツェの街は小さい。メインどころの観光地はほとんどが徒歩圏内だ。そしてドゥオモと私の滞在ホテルの距離は歩いて10分もかからない。

ドゥオモ周辺の人の多さと、そのザワザワする音量の大きさに疲れたので、一度ホテルへ戻ることにした。

受付にいたナディアにイタリア料理食べるならどこに行けばよいか?を聞いたらホテルに近いレストランを紹介してくれた。すぐに行ってみる。

このレストランではイタリアに来てまだ食べていないピザを頼むことにした。一人なので量がたくさんだと困ることと、私の場合、旅行期間中は一人旅の緊張のせいなのか、あまりお腹が空かない問題がある。だから注文時、量についていろいろ聞いてしまう。

「ピザの大きさはどれくらいですか?」

「これくらいだけど(手で示してくれる)一人分の量だよ」

とのこと。そう言われるからにはそれを頼むしかない。

マルゲリータピザとコーラを頼んだ。

モッツァレラチーズ、トマト、バジルだけのシンプルなピザ

届いたのはやっぱり大ぶりのピザ。でも、薄焼きなので最後まで美味しく食べることが出来た。一番シンプルなピザだけど、日本で食べるのとは小麦粉がなんだか違う気がする。そしてテーブルに備え付けのオリーブオイルをかけて食べてみると、風味が一段上がり、さらに美味しくなる。

道路沿いにあるレストランBONDI

見かけは道端にある普通のレストラン。目の前には通行人が通り、後ろには車の通行がある。

ホテルの人に紹介してもらい、3分ほど歩いた並びにあることから、客を誘導するよう提携している店なのか?と、疑っていたが味はとても美味しかったし、ピザの大きさについて説明をしてくれたお姉さんも丁寧だった。ランチに満足してまた街を歩きだす。

ジェラート店のショーケース

フィレンツェの街中のジェラート店に目を奪われる。盛り付けが派手!これを食べるお腹も時間も余裕がなかった、残念。

【フィレンツェ観光】アカデミア美術館へGO

アカデミア美術館の入り口 人がいっぱい

日本で事前予約していたガイドツアーへ行く。ミケランジェロの彫刻が目玉の美術館だから世界中から人が集まる。予約は必須。ただ日本語は無く英語でのガイドツアーなので、解説の理解度は「だいたい」である。

巨大ダビデ像は圧巻だった。

ダビデ像とそれを取り囲む人々

これを人間が彫ったのかと思うとミケランジェロは天才。ポーズはどうしてこうなるのかな?とか実際に彫る時に石が大きすぎで大変ではなかったのか、といろいろな思いが頭に浮かんでくる。360度見られるので後ろに回ってみたりした。

ダビデ像のほかにもピエタがあった。サンピエトロ寺院で残念ながら見られなかったのでここで回収(ということにする)

パレストリーナのピエタ 1555年ミケランジェロ80歳の時のとされる
彫刻の作品数がすごい

石でよく人間の肌の滑らかさを表現できるな。アカデミア美術館は彫刻好きにはたまらない場所だ。

美術鑑賞と関係ないが、入場するときにエックス線で荷物検査があったが、そこで帽子を取り忘れるという失態。在館中に帽子を取り戻せたが、疲れがたまっているなと実感。

【フィレンツェ観光】ジョットの鐘楼へGO 足でのぼる

ジョットの鐘楼、これを足でのぼるのか、と少々不安になる

ドゥオモのクーポラへの入場は数か月後まで予約が埋まっていたので、お隣に立つジョットの鐘楼にのぼることにした。フィレンツェの街を俯瞰するには、「ドゥオモかジョットの鐘楼のどちらかにのぼればOK」とガイドブックにあった。ジョットの鐘楼は予約で満席になることは殆ど無いようで、16時の予約が当日でも取れた。

フィレンツェ観光で分かったこと

クーポラに上るには1か月以上前に予約を取る。ジョットの鐘楼は穴場で、直前でも予約できる

ゆっくりゆっくり進んで何とかのぼれた。屋外は風が強く、行き交うのも狭いくらいの場所なので少し怖い。階段数 は 414段(エレベータ―なし!)

フィレンツェの風を感じながら茶色い屋根の連なりを見ると、なんだか優しい気持ちになれる

【フィレンツェ観光】ミケランジェロ広場へGO パメラとの出会い

ミケランジェロ広場へのバスからの車窓

ジョットの鐘楼の階段をのぼって身体は疲れているが、休むわけにはいかない。まだ行くべき場所がある。それがミケランジェロ広場だ。郊外にあるのでアクセスは良くないが、彫刻好きの私としては押さえておきたい場所だ。ホテルの受付にいた若い衆にSMN駅前からバスに乗る行き方を教えてもらった。しかし、実際に駅に行くと沢山バス停があり、言われた発車番線を探すも分からない。

通行人に聞いてみる。その女性は英語を話さない人だった。スペイン語がメインのようだが、私はスペイン語がチンプンカンプンなので、Google翻訳を出して見せあいながら会話した。

まず、「ミケランジェロ広場に行くバスに乗りたい」というのは伝わった。ただ彼女も詳しくは知らないようで、スマホでいろいろ調べていた。

私のためにずっと検索してくれているパメラ

一緒に歩きながら探すが、それでも分からないという時間が過ぎる。近くにいた、発車準備をしているバスの運転手に話しかける彼女。

私を指さしながら「彼女がミケランジェロ広場に行きたいんだけど」と言っている(多分)(何語だったのか忘れた)

そしたらその運転手さんは「あっちだよ」と教えてくれた。彼女はそこへ一緒に行ってくれるようだ。今日中にミケランジェロ広場にたどり着けるのか?すごく不安になっていたから、涙が出るほど嬉しかった。だから思わず彼女に聞いてしまった。

「なんでそんなに親切にしてくれるのか?」

と。そしたら彼女の答えはこうだった。

「自分が働きにフィレンツェの街に来ていて、来た当初いろんな人に助けてもらった。だから私もあなたを助ける。」

ということをGoogle翻訳を通して言われた。優しくしてくれたことを忘れたくないから名前を教えてくださいと言って「PAMELA」と聞きだした。

そうこう、最初に声をかけたときから30分経過し、駅からだいぶ離れた場所で目的のバス停が見つかった。おそらくホテルの若い衆が教えてくれたバス停とは違うようだ。だがそこはまさしくミケランジェロ広場へ行こうとしている人がたくさん集まっていた。そのなかに韓国人の20代の5-6人のグループがいて、なぜか私に話しかけてくる。同じアジア人のよしみなのだろう。

「ミケランジェロ広場行きのバス来ないんだけど」

「私は分からない。彼女(PAMELA)はFirenze在住で今いろいろと教えてもらっている」

と言ったら、彼らもスペイン語はだめなようだったが、ここに居ればバスが来ることが分かり、安心したようだった。

PAMELAは笑顔を振りまいて、スタスタと来た方向を帰っていく。またしてもあっけない別れ。優しい施しを受けた嬉しさをどうしたら還元することが出来るのだろうか、といつも悩む。

PAMELAと別れた後、日中の活動の多さからものすごく疲れてバス停に座り込んだ。しばらくすると、ようやくバスが来たもよう。

「バスが来たよ」

さきほどの韓国人グループの女性の一人が声をかけてくれた。ぼーっと地面を見ている私を心配したのだろう。無事に乗れてよかった。

ミケランジェロ広場についたのは20時近くになっていた。まだ空が明るい。

そこにいる皆が夕暮れを待つ時間を楽しんでいるよう。グループで座って話しながら盛り上がっている。

ミケランジェロ広場に立つダビデ像

そこに一人、ギター弾きのおじさまがいた。有名な人なのかな?若者が取り囲み、大盛り上がりだった。今日は木曜日、若者は曜日は関係ないのね。

黒いTシャツを着て両手を上げているギター弾きのおじさま

いつもの私なら「彼は誰?」とそこにいる人に聞きそうだが、それもしないほど疲れていた。

ミケランジェロ広場は高台にあるので、遠目に夕暮れに浮かぶドゥオモが見える。皆美しいものを見たくて、その時間を分かち合いたくてここに来ている。

ミケランジェロ広場で夕暮れを待つ人々(自分で撮影した動画から取ったので画素粗いです)

ミケランジェロ広場で夕暮れを待つ人々(動画から取ったので画素粗いです)

どこから見てもドゥオモは存在感がある。フィレンツェの象徴だ

綺麗な夕暮れを見た後はホテルに変えるだけだ。帰りもバスでだが、スムーズにバスに乗れてドゥオモ前で降りた。行きに比べて帰りはなんとも早かった。

バス停近くにスーパーマーケットがある。疲れからお腹は空いていない。だが汗をかいたせいか塩味のものが欲しいと感じている。カップラーメンないかなと探すと、ちょうどSAIKEBONという日本では見たことのないカップラーメンが売っている。これだ!湯沸かしはホテルの部屋に備え付けがある。

初めて見たカップ麺、サイケボン

質素な夕食ながらも今日見た美術作品の数々、電話での席の交渉、パメラとの出会いなどいろいろ思い出しながら食べる塩味のカップラーメンは途轍もなくおいしかった。

【今日の支出】イタリア観光5日目

  • ドゥオモ 絵葉書 1€
  • ランチ(マルゲリータとコーラ) 14€
  • ジョットの鐘楼入場 20€
  • ミケランジェロ広場行きバス オートライントスカーナ 1.7€
  • 帰りのバス 1.7€
  • サイケボン 2.97€
  • 合計 41.37€
  • (日本でのWeb予約)ドゥオモ ガイド付きツアー ¥ 3,753
  • (日本でのWeb予約)アカデミア美術館ツアー、優先入場チケット付き ¥8,017
  • ツアー会社:GetYourGuide

この記事を書いた人

国産時計メーカー勤務歴20年以上の私、えいさんが、海外ブランドの可愛いファッション時計に魅せられ、その魅力を多くの方にお届けしたく発信しています。詳しくはプロフィールページへ

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