北欧では幼児期のアートに対する取り組みが日本とは違う
北欧発信のブランドはどの企業の製品もお洒落で洗練されています。
- 陶器 ロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)
- 玩具 レゴ(デンマーク)
- 食器メーカー イッタラ(フィンランド)
- インテリア イケア(スウェーデン)
- ファッション H&M(スウェーデン)
- スポーツアパレルメーカー ヘリーハンセン(ノルウェー)
北欧諸国を訪れた人はみな、どこの国も街そのものがデザインされている、特に、色彩感覚がとても洗練されていると感じるようです。
優れたデザインを備えたプロダクトを生み出す北欧諸国の美術教育は、物心つかない幼児の頃からのセンスのインプットに始まります。
なぜ北欧ブランドのデザインセンスが優れているのか。それは幼児期から「センスアップ」のためのインプット教育があるから
たとえば、色相環といわれる「カラーロジック」(暖色と寒色、暖色/寒色と中性色などいろいろな組み合わせ)に基づいて、クレヨンを毎回2色ずつ与えていく、といったことが行われます。
相性のよい落ち着いた印象を与える色の組み合わせや、印象に強く残る色の組み合わせなど、あえて選択の余地なく与えていきお絵描きをさせます。
そして、それが終わると4、5、6色と増やしていきます。そうすることで、無意識のうちに色の組み合わせを学ぶ。
つまり、頭に余計な情報がない状態の子供たちに良質な情報をインプットし、色彩センスを養っていきます。
幼児期に良質なインプットが与えられることで、「色彩センスの高い国民」が形成されます。
北欧のプロダクトはセンスがよいと言われるルーツは、小さい頃の美術に対する教育の背景があるからでした。
「北欧センス」のルーツは幼少期の美術教育の背景があるから
そういった背景がある国の中でも「センスの高い人」がデザインをしているので、おのずと時計もセンスが高いものになります。
私たち日本人が見ると「格好良いな」「素敵だな」と感じるデザインの時計が北欧ブランドには多いのです。
美術教育を受けたセンスの高い人がデザインしている時計だから、北欧ブランド時計は素敵
北欧ブランド時計はどれも素敵に感じますし、実際に素敵なのです。
日本の美術教育はアップデートが遅れている
日本の時計がセンスが良くないと言っているわけではないです。
一応、日本の美術教育の背景も見てみましょう。
日本の美術教育は簡単に言うと、感性や感覚に頼ったものになっています。
日本の美術教育はその本人の感性に頼っている
過去を振り返ると、明治時代からある日本の美術教育は、西洋美術の影響を大きく受けた教育となっています。
「自分たちが感じたままに描く」という絵画教育がされていました。
北欧にある「色相環を学ぶ」といったようなロジカルな教育制度はないのです。
そういえば自分の子供のころの絵の授業を思い出すと、先生に絵の描き方を教えてもらった記憶はないですね。
写生の時間など「自由に描いていいよ」だった気がします。
この色とこの色を組み合わせればきれいな色になる、とかこの形とこの形を組み合わせれば新たで素敵な形になるといったようなロジックは教わらなかったです。
私たち日本人が、北欧や西欧のデザイン、美術、絵画にあこがれを抱いてしまうのも仕方がない気がします。
※参考文献
ビジネスの限界はアートで越えろ!
とても読みやすいうえに美術背景やそれをビジネスに生かすにはという点で学べる本でした。